【特別寄稿】日本マイナンバー管理協会へのメッセージ

福嶋 浩彦 氏

元消費者庁長官
中央学院大学 教授
マイナンバー制度がスタートし、税、社会保障、災害対策などの行政手続き簡素化や、負担と給付の公平化が期待されています。
一方、個人情報を国が一体的に管理できるようになり、国の恣意的運用や国民監視が進むのではないかという不安も根強くあります。
また、利用が拡大するのに伴い、芋づる式の個人情報漏えいや、なりすまし犯罪の発生も心配されます。
また制度スタート前に、すでにマイナンバー制度改正法が成立し、メタボ健診や預金口座等とも結びつけられるようになりました。
今後は安易な利用拡大を避け、一つ一つ効果を確かめながら丁寧に検証し、充分な国民の理解を得て進めていく必要があります。
そして全ての基礎になるのは、マイナンバー利用事務の実施者が自覚と責任を持って適正な運用に努めることです。
貴協会がルールの徹底を通し、安全・安心なマイナンバー制度の実現に適切な役割を果たされますよう期待しています。